スペイン北西部のガリシア州の山々には約2~3万頭の野生の馬が生息しているといわれる。正確には、ほぼ全ての馬に所有者がいて、伝統的に畜産家が自分の村に生息する馬を管理してきた。その管理方法は、年に一度、“クロ(CURRO)”と呼ばれる石造りの円形の作業場に牝馬と仔馬を一斉に集め、伸びたたてがみと尻尾の毛を刈り、焼印などで馬に印を付けた後、殺菌消毒を行うというものだ。この慣わしは、時とともに「ラパ・ダス・ベスタス(Rapa das bestas=野生馬の毛刈り)」という村の民衆が集うお祭りとなり、現在ではガリシアの14の各村で毎年6月~8月の日曜日*に、順番に開催されるようになった。野生馬はガリシア純血種と混血種がいる。