北部アストゥリアス州を中心に昔から親しまれているお酒、シードラ(Sidra)。りんご果汁を天然発酵させたアルコール度数3~8%程度の飲みやすいお酒だ。
シードラの起源については諸説あるが紀元前から作られていたとされる。欧州ではスペイン、ポルトガル、フランス、イタリア、ドイツ、イギリスなどで生産されシードルやサイダーとも呼ばれる。スペインでは北部カンタブリア山脈一帯で昔から生産され、8世紀にはアストゥリアス王国時代の最初の資料が存在する。19世紀からはアストゥリアス州、バスク州ギプスコア県が主な生産地だ。シードラは貴族の間では人気のない飲みものだったが、近年になってバスクのガストロノミー協会などにより、りんごの植樹とシードラの生産が再開した。