スペイン北西部ガリシアにフィステラ(Fisterra)という場所がある。Finisは終わり、terraeは大地を意味し、大地が果てる場所を指す。サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指した巡礼者たちの中には、旅の終わりにこのフィステラ岬を目指し、この地で身につけていた服や靴を焼いて海に捨てたと言う。
フィステラのある地域は、“死の海岸”(Costa da Morte)という地名を持つ。これは、この海岸付近で船の難破、遭難事故が歴史的に多いことと関係しており、現代でも難破事故は跡を絶たない。フィステラはそういう意味で死と隣り合わせの場所であったと言えるが、2002年にここに竣工したフィステラの新しい「納骨堂」(Cementerio de Fisterra)が話題となった。