■住宅地からローマ遺跡が出現!
人口約70万人の町サラゴサ。その昔ローマ皇帝によって支配されていた当時は「カエサラウグスタ」(=セサル・アウグスタ)と呼ばれ、その後イスラム支配時代には「サラクスタ」、そしてレコンキスタを経て町の名前は現在の「サラゴサ」(Zaragoza)に落ち着いた。ローマ時代、町の中心コソ(Coso)と呼ばれる旧市街は壁で囲われていたが、現在もその壁の一部が町に残っており、ここがかつてローマ帝国に支配されていたことを思わせる。
今から約40年前、ビル建設中に銀行が所有する土地を掘り起こした際、ローマ時代の遺跡、「ローマ劇場」が発見された。工事中、遺跡のそばに住むご近所さんが新聞にその様子を投稿したことから公になったようだ。しかしなぜもっと早くに発掘されなかったのかと思うところだが、発掘調査にあたった人に話を聞いたところ、ローマ帝国の都市はどこも同じように造られているが、エブロ川の通るサラゴサには港を造り、他のローマに支配されていた町とは造りが違ったらしく、そのため町のどの辺りに遺跡が残っているのか専門化でも想定が困難だったようだ。遺跡は現在は復元され、併設されたローマ劇場博物館とともに住宅地の中で公開されている。