スペイン出身のクラシック音楽作曲家と言えば、イサーク・アルベニス(1869-1909)、マニュエル・デ・ファリャ(1876-1946)らが代表的であるが、2013年に生誕120周年を迎えたフェデリコ・モンポウ(1893-1987)も近代スペイン音楽の国民的楽派と評された、スペインでは重要な作曲家の一人である。カタルーニャ出身のモンポウは非常に内気な性格だったと言われているが、作品もファリャやアルベニスの力強い音楽と比べると、どれも繊細で内省的、短くて即興的な作品が多い。フランスの作曲家、ガブリエル・フォーレやエリック・サティなどに影響を受けた事から、作曲スタイルも印象派の色彩たっぷりで、メロディー自体はノスタルジックでカタルーニャの文化から影響を受けて書かれたもの、子ども歌を引用したものも多い。作風はいたってシンプルで純粋。あらゆる曲の中で鐘の響きの様なモチーフが聴き取れるが、これも父親が鐘を作る職人だったので影響を受けたとのこと。