バルセロナの「カンテラ(下部組織)」が、世界中から注目されている。それも当然だ。昨年はスペインリーグ、UEFAチャンピオンズリーグ、そしてクラブワールドカップも制し、名実共に世界最強のクラブとなったバルセロナ。我が世の春を謳歌しているバルセロナのトップチームには世界最高の選手メッシを始め、シャビ、イニエスタ、プジョル、ブスケッツ、ピケ、バルデスなどカンテラ出身者がチームの中核を占めている。現在、ベンチで指揮をし、世界最高の監督と形容されるようになったグアルディオラ監督もバルセロナのカンテラ育ちだ。
一方、彼らの永遠のライバルであるレアル・マドリードのカンテラは賞賛されてはいない。しかし、その評価はバルセロナと常に比較されるからであって、レアル・マドリードのカンテラも優秀な選手たちを輩出していることに疑う余地はない。
2シーズン前、欧州のプロサッカークラブには、レアル・マドリードのカンテラ育ちの選手が107人もいた。現在のレアル・マドリードのトップチームでプレーしているカンテラ育ちの選手は、カシージャス、グラネロ、そしてカジェホンくらいだが、カンテラ出身は欧州の各クラブで活躍しているのだ。レアル・マドリードはそんなカンテラから他のクラブへ旅立った選手たちを常に監視している。
ジョゼ・モウリーニョ監督が今季注目しているのが、ポルトガルの名門ベンフィカに所属する2人だ。
ひとりは、スペイン国籍を持つブラジル人アタッカーの「ロドリゴ」。20歳のフォワードで今季は昨年までに12試合出場し、3得点を記録している。クラブの結果はあまりぱっとしないが、20歳以下のスペイン代表では決定的なゴールを決めるなど、際立ったパフォーマンスを見せている。もしベンゼマ、もしくはイグアインのどちらかが負傷をすれば、レアル・マドリードはすぐにこのロドリゴを補強するだろうと言われている。ロドリゴはセルタのカンテラに所属していた時にスカウトされ、レアル・マドリードへ。そして、レアル・マドリードのカンテラからイングランドのボルトンに籍を移し、その後6億円でベンフィカが獲得した。レアル・マドリードは彼を12億円で買い戻すことができる権利を手にしている。
ロドリゴ同様、ベンフィカで活躍しているのが「ハビ・ガルシア」だ。レアル・マドリードではほとんどプレーをしていないが、このボランチはベンフィカで実戦を重ね、そして進化した。プレースタイルはジョゼ・モウリーニョの好みでアグレッシブでよく走る。
彼ら2人はいずれ自分が青春を過ごしたレアル・マドリードに戻って来るだろうと言われている。
外で経験を積み、またトップチームへ。現在トップチームで活躍する2人もそうだった。グラネロは1度はレアル•マドリードを追放されたが、ヘタフェで活躍し、再度呼ばれた。カジェホンもエスパニョールで昨季活躍したから今、サンティアゴ•ベルナベウで白いユニフォームを着ている。
レアル・マドリードはご存知のようにクリスティアーノ・ロナウドら世界最高峰の選手たちが集まるクラブだ。カンテラ出身の経験のない若者がいきなり活躍できるクラブではない。1度外に出て、実戦を積んでからクラブに帰還する。よほどのタレントがないかぎり、レアル・マドリードのようなビッグクラブでは今後はそういう形でのカンテラ育ちのトップチームの選手が増えるだろう。
考えてみれば、現在のバルセロナもそうだ。セスクはアーセナル、ピケはマンチェンスター・ユナイテッドにいた。今季トップチームに定着したクエンカも昨季は2つ下のカテゴリーの2部Bのサバデールで実戦経験を積んでいる。やはり自分の大好きなクラブだからと残っているのではなく、若い時期にしっかり試合に出なければ、選手として大成できないということだ。
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