Mes: enero 2012

元マラソン選手、北極から南極まで2万1千キロを完走

スペインのアストゥリアス州出身の元男子マラソン選手、パット・ファルメールさん(48歳)は、約9ヶ月間かけて北極と南極を結ぶ約2万1千キロメートルを走り抜き、世界最南端の南極到着に成功した。 彼の挑戦は、「世界最長のマラソン~北極から南極までのチャリティラン~」と呼ばれ、赤十字など国際NGO団体への寄付金集めを目的としたもので、世界14カ国を走り抜いた結果、およそ10万ドルの寄付金を集めることができたという。 昨年4月2日に北極最北端をスタートし、旅の最中には北極クマに遭遇したり、ペルーの砂漠で迷ったり、軍隊やマフィアに遭遇したりと、体力面以外の困難もあったようだが、1日平均80キロメートルを走り続け、1月19日に世界最南端に到着した。 フェルメールさんは、また、「今回の挑戦は非常に苦しいものだったが、アフリカや東ティモール、南米など、飲料水がない地域や、洪水、地震、火事など自然災害の被害にあった地域、食糧不足の地域にも苦しんでいる人々はいる」ともコメントした。 フェルメールさんはアメリカの南極基地で休んだ後、20日には南米チリに渡り、アメリカ大陸最南端のアルゼンチンの都市ティエラ・デ・フエゴまでのさらに2500キロメートルのマラソンに挑戦している。

街の広場からサッカーを消した“あのスポーツ”とは?

FCバルセロナの活躍により、今やバルセロナはサッカーの代名詞となっているが、バルセロナ郊外にサッカーと人気を二分するスポーツが流行っているのをご存じだろうか。バルセロナの隣町、バダロナ市のラ・サル地区では、ここ数年広場の主役がサッカーから「クリケット」に移行しつつある。そう、あのイギリス生まれの“紳士のスポーツ”、クリケットである。 同地区周辺では、数年前から中国、パキスタン、インド、バングラディッシュといったアジアからの移民が増加している。中でも急増中のパキスタン住民は、食料品店、レストランなどを開業したり、貯蓄を不動産に投資し他の移民に賃貸したりと積極的にビジネスを展開。不況の中、「1セントでも安いパン」を求めてパキスタン人の経営する店までわざわざ足を運ぶ地元住民も増えている。個人経営の店が続々と閉業に追い込まれる中、パキスタン人の店には行列、という光景もめずらしくない。 移民社会が形成されれば、自然とスポーツチームも生まれるもの。クリケットW杯の上位常連国であるインド、パキスタンから来た人々にとって、このスポーツはまさに生活の一部だ。チームが増えれば試合もできる。試合をすれば、人が集まる。少数派ゆえ、プロリーグもなければ、大規模な大会が開催されるわけでもない。それでも、通りのあちこちには試合のポスターも貼られている 。クリケットの他、サッカーやカバディ(インドの国技)の試合まで企画されることもある。もちろん、遠国スペインの移民街にクリケットのフィールドなどあるわけがないが、野球場がなくてもキャッチボールや三角ベースができるように、子どもたちは元気に広場でスティックを振る。サッカー派はとっくにストリートから地元チームのピッチに流れてしまったのだから、スペースに不足はない。交通ルールなどあってないような国から来たアジア系移民の中に、「車が危ない」と注意する親はまずいないだろう。 サッカーに次いで2番目に競技人口の多いと言われる「クリケット」。インドとパキスタンとバングラディッシュの人口を合わせると、中国を軽く抜いてしまう。サッカー王国でクリケットはどこまで頑張れるのか。ひょっとすると、クリケットとサッカーを足した新しいスポーツが生まれる日が来るかもしれない。