バルセロナと対戦して得る恩恵は60億円!?

コパ・デル・レイで2部B、もしくは3部グループ優勝チームが1部のチーム、特に絶大な人気を誇るバルセロナ、もしくはレアル・マドリードと当たることは、もはや宝くじを的中させるのと同じことのようだ。今シーズンのコパ・デル・レイで最大の幸運に恵まれたのは、ベスト32でバルセロナと対戦したビジャノベンセだ。

ビジャノベンセはホームで0-0、アウェーで6-1でバルセロナに敗れた。敗者となった2部B(実質3部)のチームだが、バルセロナと対戦したことで多くの恩恵を受けている。

そのひとつがクラブの普及、知名度の上昇だ。バルセロナと対戦することで注目が集まり、多くのメディアがこぞって取材をする。クラブの名前が国内はおろか、メディアを通じて、世界中に知れ渡る。仮にクラブ名をメディアで取り上げられた量だけ広告をするとなれば、地元紙『アス』の記事によれば、4600万ユーロ(約60億円)の広告費が必要だという。アセソという会社が研究で算出した。

バルセロナとの対戦が決まった10月16日の抽選の日から、11月30日のセカンドレグ2日前までにビジャノベンセ、もしくはクラブの本拠地とする町は8万4,735回以上、ニュースとなった。その広告価値は約60億円以上だ。クラブ、そしてスペインの小さいな町にとってはお金を使わないで、絶好のアピールの機会となったのだ。

セカンドレグ当日、試合後のニュースではさらに取り上げられるニュースの数は増えているだろう。バルセロナと対戦するだけで、大きな広告効果を得られる。選手たちは世界最高峰の選手たちとピッチで対峙できるという希望があり、クラブのディレクターやその町の市役所にも経済的な還元が期待できる絶好の機会となる。ニュースでバルセロナと対戦が決まった時、もう勝ち抜きの可能性は限りなく低いのでがっくり肩を落としてもいいはずなのに、ビジャノベンセの面々は誰もが宝くじに当たったように喜んでいた。この数字を聞けば、確かに彼らがあれだけ喜びのも無理はないと今は納得できる。

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