高い的中率、アトレティコ・マドリードの若手選手への投資

リーガ・エスパニョーラ第9節で、カラスコが2試合連続となるゴールを決めた。カラスコは、第8節レアル・ソシエダ戦で終了間際に得点を決めると、その翌週に行われたチャンピオンズリーグ・アスタナ戦でも攻撃をけん引し、活躍。そして第9節、リーガで最大のライバルであるバレンシア相手のゲームで決勝点を奪った。

カラスコは、今シーズンにアトレティコ・マドリードに入団した、22歳のベルギー人だ。ベルギーのゲンクの下部組織で育ち、2010年にフランスのモナコに入団。そして2012-2013シーズンにトップチームの試合にデビューし、1部昇格の立役者となる。モナコでは、シーズンで105試合20得点を記録。ベルギー代表でも各年代の代表に選出されており、2015年3月28日のキプロス諸島戦で代表デビューを飾っている。

アトレティコ・マドリードのスカウトが初めてカラスコを見たのは、2012年2月28日だった。U-19ベルギー代表としてエストニア戦でプレーし、直接フリーキックからゴールを奪っている。そのゲーム直後にそのスカウトは初めてチームにカラスコという選手の情報を上げた。その日からスカウティングを続け、若きタレントは、今ではアトレティコ・マドリードでプレーするようになった。

アトレティコ・マドリードは今夏の移籍市場で最も補強にお金を費やしたチームだ。バルセロナ、レアル・マドリードが比較的例年よりもおとなしかったので、コロンビア代表フォワード、ジャクソン・マルティネスなど、リーガで最も補強に投資したチームとなった(実際にはマンジュキッチ、アルダらを売却しており、合計するとお金はあまり使っていない)。

近年のアトレティコ・マドリードは若い外国人タレントを獲得し、その才能をディエゴ・シメオネ監督が開花させ、選手の価値を上げている。2シーズン前のジエゴ・コスタ、もしくはクルトワから、現在のチームで言えば、コレア(20歳)、ホセ・マリア・ヒメネス(20歳)、オブラク(22歳)、そしてカラスコ(22歳)だ。世界的には名前を知られていない若者のタレントをアトレティコ・マドリードは磨き、一流の選手にしている。

アトレティコ・マドリードの若い選手への投資の的中率は、ディエゴ・シメオネ監督の采配同様に、近年の躍進を語る上で欠かせない要素のひとつだ。

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