スペイン代表で活躍したカタルーニャ人の率直な気持ち

2014年はカタルーニャ州のスペインからの独立への動きが大きく取り上げられた年でもあった。カタルーニャ自治州政府は住民の意識調査という名目で住民投票を行った。結局、投票率は低く、住民の意識を読み取れるようなデータにはならなかった。また住民投票の実施の過程で中央政府と交渉し、憲法裁判所で住民投票の実施は公式には認められなかった。そういった動きはスペインはもちろん、世界からも少なからず注目を集めていた。

そんなカタルーニャの独立について、カタルーニャ出身のシャビ・エルナンデスが地元誌『エル・パイス・セマナル』で率直に語っている。シャビはご存知のようにバルセロナだけでなく、スペイン代表でも中軸として活躍。スペインにワールドカップ、欧州選手権をもたらした。スペインの国旗を代表して戦っていた選手だ。

インタビューの中で、「君はスペイン代表でタイトルを勝ち取った時のセレモニーで『スペイン万歳!!』と叫んでいたけど…?」という質問にシャビはこう応えた。「自分が感じたことを言ったんだ。同じように僕らに多くのことを与えてくれたスペインのフットボール、代表チーム万歳、とも言いたかったよ」

記者はこうも尋ねた。「思わず『スペイン万歳!!』『カタルーニャ万歳!!』と同時に叫ぶ。問題はないですよね。そう思わないですか?」するとシャビはこう答えた。「そうだね。僕は11月9日に投票に行った。カタルーニャにとって大事な1歩だと考えていた。僕たちは(独立を問う)公式で合法的な投票を申請していたし、彼らは僕たちにその許可を与えるべきだった」

シャビはカタルーニャとスペインの関係をこう例えている。「とても単純なことだ。友だちが君に電話をしてきて気分が悪いと言う。だが君は(何も言わずに)電話を切る。それがカタルーニャとスペインで起きたことだ」。つまり、シャビはカタルーニャはスペインの中央政府に対して「投票を必要としていたし、それを聞いて、理解して欲しかった。ただそれだけだ」と話している。

サッカー選手がここまで踏み込んで政治のことを話すのは珍しい。それはスペイン代表にも大きな貢献をし、そして代表引退したシャビだからこそできた発言だったかもしれない。

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