PKが苦手なシメオネのアトレティコ・マドリード

長所もあれば、短所もある。昨シーズンのリーガ覇者アトレティコ・マドリードはセットプレーが得意だ。ディエゴ・シメオネ監督が率いるチームはコーナー、フリーキックなどの戦略が整理されており、苦しいゲームでもセットプレーからのヘディング1発で勝負を決め、勝点をものにする。スペイン代表でシャビ・エルナンデスの後釜として期待されるコケは優秀なキッカーだ。その彼の正確なプレスキックにミランダ、ゴディン、ティアゴといった選手が頭で合わせて決定的なゴールを奪うシーンをここ最近は何度も目にしている。セットプレーがアトレティコの長所だ。

もちろんそんな彼らにも短所がある。それはPKだ。シメオネが率いるチームはPKが得意ではない。ここ2シーズンの公式戦でのPK14本のうち、実に6本も外している。43パーセントの確率で失敗しているのだ。PKをよく失敗していたのは今はチェルシーに所属するスペイン代表のジエゴ・コスタだ。彼は昨シーズンだけで10本のPKのうち4本を外している。昨シーズンは12本のPKのうちジエゴ・コスタが4本、ビジャが1本ずつ外していた。

今シーズンはそのふたりが退団し、当然ながらPKキッカーも変わった。しかし、成功率は変わっていない。9月27日のセビージャ戦でのPKはラウール・ガルシアが成功させたが、10月4日に行われたバレンシア戦ではシケイラが外した。今シーズン、アトレティコはまだ2本しか公式戦ではPKを手にしていないが、すでにPKを1度ミスしている。確率は50パーセントだ。

シケイラはコルドバでプレーしていた時は12本のPKを蹴り、失敗は1本だけだった。それが今シーズンはアトレティコの選手になってからは2度のPKを手にし、1度も決めることができないでいる。シメオネは次からはマンジュキッチがPKのキッカーとなる、とコメントしている。2人はバレンシア戦のPKの場面でもどちらがキッカーとなるか、口論していたが、結果を残せていない者が立ち去らなければならなくなった。

果たしてマンジュキッチはPKが苦手なシメオネ率いるアトレティコの救世主となれるのだろうか。

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