マドリードの町、クリスマス宝くじ1等最多当選

12月22日、スペイン国民が毎年楽しみにしているイベントが行われた。それは「ロテリア・デ・ナビダ(クリスマス宝くじ)」の当選発表会。マドリードの王立劇場で9時から開始され、誰もが期待に胸膨らます1等の当選番号“76,058”が子供たちの声で呼び上げられたのは10時7分のことだった。

今年、スペインのクリスマス宝くじは昨年同様10枚綴りのものが180セット売り出されていた。そのため、同番号は1,800枚存在しているのだが、1枚の値段は20ユーロ(約2,200円)と日本より非常に高額だ。

昨年の販売枚数はスペイン全土で1,800万枚、個人の購入費となると国民平均71.28ユーロ(約7,441円)とだったが、今年は不景気のためか昨年より売り上げは8%少なくなり、一人当たりにすると4ユーロ(約440円)減となっていたという。

1等の当選金額は400万ユーロ(約4億4,000万円)となっている。これは10枚綴りの200ユーロ分を購入した場合の金額で、1枚20ユーロの当選金は10分の1の40万ユーロ(約4,400万円)となる。

昨年は1等の当選番号くじが、アラゴン州ウエスカのグラネンという小さな村だけで全て販売されていたため、スペイン全土でその村だけが当選するという事態になっていた。このことは世界中で大きなニュースとして報道されていた。

今年、1等が出たのはスペイン15地域のため、昨年のような事態は起きなかった。当選発表後、各テレビ局はこぞって当選者の喜びの表情や笑顔を中継していた。

その15地域のうち、最も当選枚数を出したのはマドリード東部の町だった。それはアルカラ・デ・エナーレスで、1等全1,800枚のうち72%に当たる1,300枚が一カ所で販売されていた。この町には全当選金25億2,000万ユーロ(約2,772億円)のうち、5億2,000万ユーロ(約572億円)が降り注いだことになった。

失業率26%、借金3億1,800万ユーロ(約350億円)と不況に喘いでいる町の人々にとって、非常に大きなクリスマスプレゼントになったようだ。

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