世界初のエコ・エネルギーボートでレースに参戦

5月19日(土)にバルセロナで開幕するボートレース、“Europa Warm Up”(ヨーロッパ・ウァーム・アップ)に、マヨルカ出身のボートレーサー、ハビエル・“ブビ”・サンソさんが、世界初となるクリーン・エネルギーを用いたボート「Acciona 100% Eco Powered(アクシオナ100%エコ・パワード)」で参戦することになった。
 
というのもサンソさんは、今秋11月10日から開催される“ヴェンデ・グローブ(Vendée Globe)”を前に、ソーラー・エネルギーを動力とするこのボートで実戦を経験しておきたいと考えているからだ。ヴァンデ・グローブは、4年に1度開催される世界で最も過酷なボートレースといわれ、約3カ月間、単独無寄航で世界を1周する競技。ボートを操る人間の経験や精神力を問われるレースだ。彼は2000年の大会にも参戦しているが、舵が折れてしまい、棄権を余儀なくされた。「2000年のヴァンデ・グローブで舵が折れた瞬間、次の大会に向けた準備が始まったんだ」と、サンソさんは語る。

それから12年、ヴェンデ・グローブの前哨戦として臨む“Europa Warm Up”。彼にとってこの大会は、もうひとつの狙いがあるという。それはこの大会で上位に食い込むことで、ディーゼルを動力としたボートを使用するレーサーたちに、環境汚染をすることなくボートを動かせることを証明したいというのだ。
「我々は、クリーン・エネルギーで動くボートが、400リットルものディーゼルを積んだボートと同等に競えることを証明したい。」

サンソさんが乗る「アクシオナ100%エコ・パワード」は、その名の通り100%クリーン・エネルギーで航行することが可能で、環境汚染につながる二酸化炭素(CO2)などの有害物質を排出しないことが特徴だ。12㎡のソーラーパネル搭載のボートは、日中に太陽エネルギーを貯蓄することで、夜の航行も可能となっている。また、必要な電力供給のために、波力エネルギーと風力エネルギーも有効利用する。このボートの開発には70人が携わり、完成まで3年の月日が費やされた。

今回の大会で「アクシオナ100%エコ・パワード」の性能を証明することができれば、サンソさんたちにとっても大きな収穫になるだけでなく、将来のボートレースにも大きな変革をもたらすことになるかもしれない。

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