F1界にも不況の影 カタルーニャサーキット隔年開催へ

カタルーニャからF1が消えたら...。ここ半年間、カタルーニャのモータースポーツファンを悩ませていたこのテーマに、ようやく暫定的な回答が出た。F1運営組織のCEOバーニー・エクレストン氏は3月8日、これまでモンメロー市(バルセロナ)とチェステ市(バレンシア)で毎シーズン行われていたグランプリについて、「2013年以降は各サーキットで1シーズン1度の交互開催で合意の方向」と発表したのだ。正式合意までにはまだ時間を要しそうだが、両サーキットは交互開催に前向きな姿勢を示している。

カタルーニャ州自治庁は昨年6月、今年いっぱいでモンメローサーキットにおけるF1開催が停止される可能性をほのめかしていた。理由は「不況」。州予算削減により、モンメローでの大会開催補助金に充てられていた予算が25%カットされたためである。州はこれまで、観客不足による赤字の80%を補てんしていたが、今後はこの補てんを中止する構えを示している。市民にとって最優先であるはずの医療、教育現場で予算が次々と削減されるこの不況下、「サーキットの赤字補てんをしている場合ではない」というわけだ。

交互開催に関する合意が発表されたとはいえ、モンメローサーキット、チェステサーキットの契約はそれぞれ2016年、2014年まで。今後の状況次第では、F1開催が厳しくなる可能性も十分ある。モンメローサーキットのスポークスマンは、F1存続のカギをにぎるのが「観客動員数」と指摘している。サーキットが満員になれば、補助金カットによる痛手も軽くすむからだ。開催サイドは早速、フリーパスや割引チケットなどの発売で観客増加を図っている。モンメローでの次回グランプリは5月13日。観客数が10万人を超えるかどうかに注目が集まる。

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