給食からお弁当へ“学校ランチ革命”

学校でのランチと言えば給食が定番だが、バルセロナの学校では給食の代わりに「子どもたちにお弁当を持たせる」ことを希望する保護者が増えているという。理由は“Crisis”(=不況)。失業率20%という深刻な不況下、「給食費が払えない」という家庭が増えているのだ。

日本では経済的なイメージの給食だが、スペインの幼稚園、小中学校の給食費は1食6~9ユーロと高額。専業主婦のいる家庭や祖父母の協力が得られる家庭は自宅で昼食、ということになるのだが、半数以上の家庭が共働きの核家族。バルセロナの公立学校ではお弁当のシステムが導入されていないため、給食を選択するしかないのが現状だ。以前は低収入家庭に「給食補助金」なるものが認められていたが、政府の教育予算削減政策により援助額は大幅にカットされてしまった。そこで、「お弁当の導入」が叫ばれているというわけだ。

現在バルセロナでお弁当システムが認められている学校は、私立の2校のみ。ここでは、昨年から不況のあおりで“お弁当派”が急増したという。カタルーニャ保護者協会(FAPAC)は、「公立校におけるお弁当システム導入」を数年前から州教育庁に呼びかけている。このご時世、オフィスでは日増しに定着しつつあるお弁当だが、学校でも需要は着実に伸びている。

さて、お弁当の需要が伸びれば、売れるのがお弁当グッズ。「冷たい料理なんて...」とまゆをひそめるセニョーラ(ご婦人)たちをも満足させるような保温性の高いケース(※写真下)、密閉力の強いタッパー(※写真上)など、関連アイテムの売り上げは不況に伴い増加しているという。学校にお弁当の習慣が浸透すれば、日本のように強力な子ども向けのお弁当グッズ市場が新たに開けるかもしれない。

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