インターアクティブ「ドン・キホーテ」、1年間で150万のアクセス

聖書と並ぶ世界のベストセラー、ミゲル・デ・セルバンテス著「ドン・キホーテ」(1605~1615年)に“インターアクティブ”バージョンがあるのをご存知だろうか。スペイン国立図書館は1年前、インターネットからアクセスできるインターアクティブブック「ドン・キホーテ」を初めて世に送り出した。立ち上げから1年でアクセス数は150万を超え、書籍に劣らぬミリオンセラーとなっている。

国立図書館司書、プログラマー、グラフィックデザイナー、中世の美術専門家、音楽専門家らの協力のもと、5000時間をかけて完成したこのプロジェクトは、「世界中の人々に臨場感あふれる読書を楽しんでもらいたい」という狙いのもとで誕生した。同サイトにアクセスすると、中世の音楽が流れ、スクリーンには古めかしい本が現れる。画面下部の矢印をクリックするとページがめくられ、17世紀の初版と同じ紙の音が聞こえてくる仕掛けになっている。ドン・キホーテの冒険地図、出版年表、17世紀の生活文化、騎士文学の説明、中世音楽のコンサート動画など付録も充実しており、読書に面白みを加えてくれる。

若者の読書離れが心配されるスペインだが、「五感で読書し中世にタイムスリップ」できるこのインターアクティブ「ドン・キホーテ」は子どもたちの間でも人気上昇中だという。

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